工芸をバックグラウンドとする二人の創業者 (高室幸子 ・堤卓也)によって2019年に 設立された一般社団法人パースペクティブは 、自然資源がいかにモノづくりに影響し、またモノづくりがいかに自然景観を変えてきたかを探求し、「文化が自然を基盤として成立してきたこと」を啓蒙する活動を行っています。 工藝 の「藝 」という旧漢字は人が苗を捧げ守って植えようとする姿を形取った象形文字。その事実にヒントを得て、人が自然と関わりモノを作り続けることの意味とそのあるべき態度を「工藝の森」という概念に込め、 自然と人の生産活動をつなぎ直すための教育事業やプロジェクト・イン・レジデンスを展開しています。 また、工藝素材の森を運営し、ものづくり材料としての漆や桑を植え育てる一方で、単に収穫することだけを目的とせず、学びのフィールドとして、森の知恵を市 民に開 く役割 を担っ ています。
一方、職人仕事と地域の自然素材に出会えるシェア工房『ファブビレッジ京北』を運営し、「つくる」ことを通して環境とのつながりを学ぶこと 、またそれによって地域の自然資源が小さく循環するプロセスを、お手伝いをしています。
根底にあるのは、人と自然のサステナブルな関わり方や、自己よりもっと大きなもののいとなみの象徴でもある、「工藝」へのまなざし。工藝は日本の社会、価値観、意識を映し出す「鏡」であると位置づけ、教育プログラムやツアーを企画してきた。大量生産で生まれた均質な工業製品の溢れる社会的背景の中で、モノづくりへの親近感や、自然との関係性の中に身を置くことのできる感性が失われてきていることに危機感を感じ、2019年6月、パースペクティブを設立。
堤淺吉漆店 専務。明治期から続く漆の精製業者の四代目。漆を育て収集する山側の「漆掻き職人」と、漆を塗る「塗師」の中間に立つ立場から、漆と人々の暮らしとの間に広がる距離感や、漆の生産量の減少に危機感を感じ、漆のある暮らしを次世代の子ども達につなぐ取り組みとして「うるしのいっぽ」を始める。「サーフボード×漆」「BMX×漆」「スケボー×漆」など、今までになかった取り合わせを通じて、漆との新しい出会いを提案。1万年前から日本の風土で使われてきたサステナブルな天然素材「漆」を、次の時代に継承するべきものとして、2019年6月、パースペクティブを設立。
In the process of building a more sustainable ecosystem for craft we have accumulated a range of valuable resources for education and craft. From our shared forest to our woodworking space.